おはこんばんにちは。今回のテーマは子どもたちが「助けを求める力」についてブログにしました。
申し遅れましたが、福岡市城南区の探究学習スクール「CAN!Pラボ」の鈴木です。子どもたちの「やりたい!」を実現する塾をやっています。
ブログの最初のあいさつをそろそろ変えたいです。
アイデア募集しています。
「助けて」を言う力
さて、本題に入ります。
今回この「助けて」をテーマにしたのは、面談がきっかけでした。
10月の中旬から、CAN!Pラボに通われているご家庭中心に個人面談を実施しています。
お子さまの日頃の様子シェアであったり、困りごと相談が主になっております。
そのなかでもお話に多くあがったのが
「うちの子、困ったとき“助けて”って言えてますか?」
でした。
私たちCAN!Pラボのように
プロジェクトをする・他の人たちと活動する以上は
なにかしら「行き詰まる」場面は出てくるものです。
それはCAN!Pラボだけじゃなく、日常生活においても一緒です。
でも自分で考えて、試して、どうしたらいいんだろう、と悩んで素直に「助けて」と言えることってなかなか難しいようです。
そんな子たちに共通しているのが
「助けてもらう」ことは恥ずかしいことだ
と、考えているいうことです。
CAN!Pラボではさまざまなプロジェクトをしながら発想力・実行力などといった力を育てます。
その一方でさらにもう一つ「助けてを言う力」を焦点に充てて話を進めます。
「助けて」を言えた例
ではどうやったら「助けてを言う力」は身につくんでしょうか。
子どもたちが「助けて」を言えた事例をとって、この力にどんな要素がありそうか考えてみます。

電気のスイッチに装置をとりつけている様子です。なかなか難しいようで「助けて」と友達のアイデアを借りています。

「のこぎりを使いたいから助けて」大人の力を借りながら使い方を学びます。
「助けの求め方」ってさまざまです。
「ちょっとこっちきて」
「ねぇねぇ(つんつん)」
「これどうしたらいいかな…?」
口に出して言う、肩をたたくなどいろんな「助けて」の伝え方があります。
「助けて」を伝えられたこの子たちに共通しているのが
①自分が困っていることを自覚している
②「助けを求める」までのハードルが低い
ということでした。
スイッチがつけられないにせよ、のこぎりが使いたかったにせよ、自分が今この状況で「困っているんだ」ということを自覚することが最初のきっかけです。次に「助けて」を言う心のハードルが低いことで「助けて」と言えるんじゃないか、と考えています。

「助けて」を言えるために
これらの①②についてCAN!Pラボとして実施している(またはこれからする)例をご紹介します。
①の子どもたちが自分自身で「困っている」ことを知るために「困りごとカード」を設計しています。

「困りごとカード」左側が「困った状況」右側が「解決方法」です。
タイプごとに重なる解決策を示しています。
そもそも自分がどの状況に当てはまっているのかを知ってもらうこと、そして解決方法の手持ちを増やしてもらいたい!というのが作成の意図です。
活用していきながら、子どもたちが自分自身で「困ったときはこう」といったパターンを見つけ出してほしいのが願いとしてあります。

次に、これは大人が子どもたち自身の困り感を把握するために「ラボリフレクション」なるものを実施しています。
スタッフ間で「あの子いまここで苦戦しているみたい」という情報を共有することが目的です。
※個人情報の観点から、モザイクをかけています。
②のハードルを下げるについて、てっとり早い方法は「実際に助けてもらってうまくいった」という経験を積むことだと考えています。
そのために大人や周りの友達を巻きこんで(あるいは察知して)自分で「助けて」とアクションを起こしてもらうことが必要になります。
独りではなく、みんなで生きていくから
「助けを求める」って大人でも難しいことです。
というかむしろ大人になってからのほうが難しいと思います。
お恥ずかしながら、私自身が「助けて」を言えなかったタイプだったなぁと感じています。
「自分が我慢すれば」
「自分でやったほうがはやいから」
「助けてもらうってなんかかっこ悪いから」
と思っていたんです。
そしてあるとき、人から助けてもらった経験をしたんです。
自分自身が知っていることよりも、他の人のアイデアでもっといいものができるぞ!ということを知りました。一人で悩んでいてはもったいない。
ちょっと広い話をすれば
会社や学校や家庭も
今着ている服も
食べているご飯も
誰かが誰かを助けているから成り立っているんです。
それは時代が変化していこうとも、人が生きている以上は変わらないものです。
人ってやっぱりひとりじゃ生きるのはむずかしい…
だからこそ、困ったときに「助けて」と言えることは大切です。
まぁなんでもかんでも最初から
「考えてないけどとりあえず助けて、助けて!」
はちがいますが。
「自分はこんなことで困っているんです、だからこういう助けが欲しいです」というスキルの1つを、子どもたちに手渡していきたいと思っています。

CAN!Pが目指す子ども像のひとつ「思いやりある協働者」