子どもたちの”実験”

こんにちは!CAN!Pスタッフの長﨑です!

CAN!Pラボでは、「つくる」「試す」「表現する」を通して、トコトン自分の好きに向き合う時間を作っています。

特に、「ラボ」という名前から一番連想される活動は“実験”でしょう。

実験と聞いてイメージするのは、おそらく理科室でやったあれこれではないでしょうか。

リトマス紙で酸性なのかアルカリ性なのかを調べるとか…

振り子の振れ方を計測するとか…

電池と導線を使ってモーターを回すとか…

もちろん、CAN!Pラボではこういった”実験”も行っています。

しかし今CAN!Pラボに通ってくれている子どもたちがやっている”実験”はもう少し広い意味での実験です。

今回は、それがどのような”実験”なのか、

そしてその”実験”にどのような価値があるのかをお伝えします。

ところで、実験とは?

子どもたちの”実験”をお伝えする前に、私の体験談をお話しさせてください。

私は大学時代、化学に関する研究をしていました。

研究内容は、ある分子と別の分子を反応させて、新たな分子を作るというものです。

そのため、毎日のように”実験”を行っていました。

私が所属していた研究室です。

まさにイメージ通りの”実験”でした。

その中で、私は以下のように研究を進めていました。

・自分の実現したいものに近い先行研究(論文)をまねしてみる。

・うまくいかなければ原因を分析、もう一度やってみる。

・別のアイデアも同時進行でやってみる。

実はこのプロセス、CAN!Pラボの子どもたちもやっています。

子どもたちは大掛かりな実験器具や専門的な薬品を使っているわけではありません。それでも、確かに”実験”をしています。

紙が切れるナイフを作りたい

一つ事例を紹介します。

彼のプロジェクトのゴールは「紙が切れるくらいのナイフを作ること」です。

始まりは、スタッフの一人がお手本として作って見せた、木のペーパーナイフでした。

そのナイフを見て、彼はこのプロジェクトに取りかかりました。

ここから、「段ボールでナイフを作る」、「チョコレートでナイフ」を作るというアイデアも生まれ、「木でナイフを作る」と合わせて3つを同時進行で進めることになりました。

チョコレートでナイフ?

チョコレートでナイフを作るというのは、あるyoutubeの動画がお手本になっています。

まずは溶かしたチョコレートを遠心分離して油分を取り除き、カチカチのチョコレートを作ります。

そのチョコレートを磨いていくことで刃物のような形に仕上げていきます。

彼は、この方法を試そうとしましたが、残念ながらCAN!Pラボには遠心分離機はありません。

そこで思いついたやり方がこちら。

コップにとかしたチョコレートを入れて、ひもにくくりつけ、ぶんぶん回します。

おもしろい発想ですが、うまくいきません。

そこで、彼は”先行研究”を調べてみました。

彼にとっての”先行研究”とは、Youtube上の他のチョコレートナイフ作りの動画です。

その動画ではココアパウダーとチョコレートを混ぜて油分を調整し、カチカチのチョコレートを作っていました。

今度は、これにならい、チョコレートとココアパウダーを混ぜることで、カチカチのチョコレートを作ることに挑戦しました。

やってみる。

ぼそぼそになりすぎた。

ということは油分がすくなすぎたのかも。

じゃあチョコレートの割合を増やしてみよう!

このように、試しては原因を考え、また別の条件で試します。

現在も調整中ですが、着々と理想のかたさのチョコレートに近づいてきています。

他にも、水を加えてみたり、ろ過してみたり…

CAN!Pラボでの"実験"

ここまで見てきた、彼の活動を私が研究室でしていた”実験”と比べてみます。

・Youtubeの動画の通りにやってみる

= 自分の実現したいものに近い先行研究(論文)をまねしてみる。

・チョコレートがぼそぼそになった。油分が足りないのでは?

= うまくいかなかったら原因を分析し、もう一度やってみる

・ろ過する方法や別の道具を使う方法も試してみる

= 別のアイデアも同時進行でやってみる

扱っているものは違えど、そのプロセスはまさに”実験”そのものです。

ラボでは、他にも”実験”らしくはないけれど、確かに”実験”と同じプロセスを踏んでいるプロジェクトがたくさんあります。

どうしたら電気が自動で消えちゃう装置ができるかな…

長いうどんを作るには…?

おわりに

最後になりますが、子どもたちはこの”実験”を通して何を学んでいるのでしょうか?

CAN!Pラボでは、子どもたちが”実験”を通して、「自分のやりたいことを実現する力」を磨いているのだと考えています。

そして、この力が学習や仕事にもつながっていくことを目指しています。

そのために、現在はこの力を、子どもたちが他の場面でも活かせるようにする方法を模索しています。

こちらは、子どもたちが「やりたいこと」を実現する途中で困ったときに、どうすればよいかを分類したカードです。

これらの方法が子どもたちの中にしみついていけば、勉強や仕事でも使える力になると考え、試験運用中です。

子どもたちが自分の「やりたい!」の実現に向けて、さらに”実験”に取り組んでほしいと思います。

(もちろん、理科室でやるような”実験”も大歓迎です!)

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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