思いやりのある協働者たち

こんにちは。原口です。

民間学童きりんアフタースクールでは、子どもたちが自らの意志で考え、選択・決定できるよう、遊びや学びの場づくりを日々試行錯誤しています!  

CAN!Pには、育てたい子ども像として「思いやりある協働者」を掲げています。

ある日の子どもたちのやりとりをお伝えしながら、「思いやりある協働者」とはどんな状態なのか?がなんとなくお分かりいただける内容になればと思います。

オリジナルヨーヨー

雨が降っているある日のこと。

外で遊ぶことができない子どもたちは、室内で思い思いの時間を過ごしていました。

レゴをする子ども、夏祭りイベントの準備をする子ども、廃材を使って制作をする子ども、一人ひとりの「やりたい!」を限られた空間の中でも実現していく子どもたち。

その発想力の豊かさや自分で楽しむ環境を作ることができる子どもたちにはいつも驚かされます。

この日は2年生の男の子が集まって何やら面白そうなもので遊んでいました。

様子を見てみると、紙のボールと輪ゴムをくっつけたヨーヨーのようなものを作って遊んでいる最中でした。

これを発明したのは2年生のA君。

A君が発明したものを見ていたB君は、そのヨーヨーの魅力にとりつかれてA君に作成を依頼していました。

発明者のA君。大人も虜になるほど面白い!

B君のために制作をもくもくとしているA君。
その横で作り方をじっくり見ているC君。

その後C君は、自分でヨーヨーを作りあげていました。

こんな連鎖で、ヨーヨーは2年生の男の子の間で一瞬にして広がっていきました。

そして、それぞれがヨーヨーの遊び方を探究し、発明した技を見せ合い、その技が広がっていく…そんな景色が繰り広げられていました。

遠くまで飛んでいくには?高速回転するには?などなど研究中!

「思いやりある協働者」たちから生み出されるもの

この遊びを振り返ると、子どもたちそれぞれがヨーヨー遊びを深め、広げていました。

例えば、B君は発明者のA君から作ってもらったヨーヨーで、周りのみんなが真似するような遊び方を発明しました。 

そしてA君の作り方を観察して自分でヨーヨーを作ったC君は、他のお友達にヨーヨーの作り方を教えてヨーヨーを広めていました。

それからD君は、ヨーヨーの原理を利用して新しいおもちゃを発明するというイノベーションを起こしていました。(写真がないのが残念なほどおもしろいおもちゃでした!) 

この遊びを通じて、子どもたちは「思いやりのある協働者」を体現していたのではないかと私は思います。

遊びの中で子どもたちは、ヨーヨーで「遊びたい!」「最高に面白い遊びを生み出したい!」という同じ目標を持ちつつ、それぞれが持っているオリジナリティーを表現していました。 

その結果、友達から言われた「それいいね!!教えて!!」の言葉に思いやりをもって応えながら連鎖していくうちにオリジナリティーが加わり続け、最後には自然とイノベーションに繋がっていきました。

 

思いやりを持ちながら、共に同じ目標へ仲間と協同できる「思いやりのある協働者」たちが遊びの世界から社会へ出たときに、自分の周囲へ大きなインパクトをもたらしたり、世界を変えるイノベーションを起こしたりしていくのだと感じる瞬間でした。

こう考えると、遊びの中で出てきた思いやりや達成感、アイデアをもっともっと大事にしていきたいと改めて感じます。

  

もうすぐ夏休みですね。

いつもとは違う環境の中で、子どもたちがどんな遊びを楽しみ、友達との協働が生まれるのか、とても楽しみです。

 

それでは、また。