脳の仕組みから子どもへの関わりを考える

こんにちは、森本といいます。

福岡から「教育をおもしろくする」というスローガンのもとCAN!Pという団体で活動しています。CAN!Pラボ、きりんアフタースクールといった放課後の学び場で子どもたちと向き合っています。

今日は最近読んだ本の中から、あらためて大事にしないといけないなと思ったことをシェアしたいなと思います。

子どもたちを観るときの意識の話です。ご家庭でのお子さんとの関わりにも活かせる話になるんじゃないかなと思います。

脳の仕組みを理解する

最近こちらの本を読みました。

最新の脳研究でわかった! 自律する子の育て方 (SB新書) | 工藤勇一, 青砥瑞人 |本 | 通販 | Amazon

小学高学年向けの探究学習型スクール「CAN!Pラボ」で、子どもたちに育ってほしい姿のひとつとして“自立した学習者”という姿を描いています。

「自立」につながる要素として、「自分を律すること」や自分を俯瞰して認知できる「メタ認知」の力が大切だとあらためて考えており、そのあたりをもう一度丁寧に学んでいきたいなという課題意識からです。

この本の前半では、そもそもの脳の認知の仕組みについて触れられています。

―私たちの脳は世界をどのように認知をするのか

専門的でなかなかシロウトでは深入りしにくい分野ではありますが、知っていると自分がとってしまう行動や、考えてしまう思考について理解ができコントロールもしやすくなるというわけです。つまり、「メタ認知」につながるということですね。

人は本来ネガティブ思考が作動しやすい

脳の機能についての文脈で書かれていたことで、1点ご紹介しておきます。

「人は本来ネガティブ思考が作動しやすい」生き物なのだそうです。人間の脳にはエラーを検知する機能が元々備わっていて、例えば誤字脱字のような違和感を検知するだけでなく、他人の欠点や弱点を見抜く機能が備わっているらしいのですね。

また、どれだけポジティブな経験をしていても、たった一度でも強烈なネガティブな体験をしてしまうと、その記憶を脳は引き出してしまうとも書かれています。

逆に、他者のいい部分を自然に検知できる機能はというと、その機能は脳には備わっていないようです。

人は自分に対しても、他者に対しても無意識のうちにネガティブな部分に反応してしまう生き物です。

このあたりは考えさせられることがあります。

例えば、私自身の子どもの頃を思い出してみたときに、親や先生から褒められた記憶よりも、叱られたりあまりいい気持ちにならなかった場面のほうが記憶として多く浮かんでくることに気づきます。

これまで書いてきた脳の機能についても納得です。

意識できるかは分かりませんが、、、

月並みですが、今日の結論は「脳は無意識にネガティブを検知するので、いいところを見つけることに自覚的になれたらいいですよね」ということです。

個人的には、この知識を持っておくかどうかでも子どもたちへの関わり方が変化するんじゃないかなと思っていて、もし何かネガティブを検知したときに「あっ、今自分の脳はネガティブを検知しようとしているな」と思えた段階で勝ちなのです。(この状態が「メタ認知」できている状態なので一定の訓練等がいるのですが)

「ネガティブを検知しているな」と思えた人は、基本的には冷静に目の前の状態を捉えることができているので、感情任せに叱ったり、相手が嫌がるだろうなと思う言い方はしないはずなのです。

このあたり、子どもたちにも身につけていってほしいと心から願うスキルなのですが、言うは易しでかなり高度なスキルです。子どもの前にまずは大人からと考えたほうがよさそうです。

ご家庭でのお子さんとの関わり、声かけの際に少し意識してはどうでしょうか。

あくまで脳の反応なのでどこまで意識できるかは分かりませんが、知っておいて損はなさそうです。

今日は「脳の仕組みから子どもたちへの関わりについて考える」というテーマで書いてみました。何か参考になっていれば幸いです。では、また!