こんにちは、平田です。
本日、きりんアフタースクールでは1・2年生の保護者向けにセミナーを行いました。テーマは「小学校高学年を見据えた 低学年期に育みたい学力」です。
ご都合で参加することが難しかった保護者の方にも、このブログを通してセミナーの内容をお伝えできればと思います。
読解力
突然ですが、「全国学力学習状況調査」という調査を知っていますか?
これは毎年実施される、全国の小学校6年生と中学校3年生を対象とした教科に関する調査(国語、算数・数学、英語(中学校のみ))と質問紙調査です。
小学校6年生の問題(令和5年度)の一部を見てみましょう。
【国語の問題の一部】
この問題は、グラフなどを用いて、自分の考えが伝わるように書き表し方を工夫することができるかどうかをみる問題です。
書く力をみる問題ですが、示された条件に合わせて書くために、たくさんの情報の中から必要な情報を「読み取る力」が必要になります。
カードの内容(上の問題の写真中にカードは載せていません)を読み取る力、川村さんの文章を読み取る力、文章だけでなくグラフからわかることも読み取る力など、読み取る力…つまり読解力が必要です。
この問題は、台形、正方形、正三角形の意味や性質について理解しているかどうかをみる問題です。
パッと見た感じ、問題が長いなあ…と思いませんでしたか?
文章から情報を読み取り、この問題に続く最後の問題では、読み取った情報をもとに思考力を使って解答する問題になっています。
つまり、算数の問題であっても、読解力が求められるのです。
国語も算数も、思考力を問う問題が多いのですが、思考力と読解力は密接に結びついていて、読解力を高めることで、情報を適切に処理し、論理的に考える力が高まります。
読解力を伸ばすには?
読解力を伸ばす方法として有効なのが読書です。
読書することで、語彙量を増やすことができます。
また、主語・述語の関係や、文のつくり(構文)を正しく把握できるようになります。
さらに、「と」「に」「のとき」「ならば」などの語を正しく使えるようになります。
読書は、ご家庭でも比較的取り組みやすいのでぜひやってみていただければと思います。
きりんアフタースクールでも、学習の中に読書を取り入れています。
学習室に本棚を設置し、本の種類を充実させるなどの工夫をして本を読める環境を整えています。
家庭学習の習慣
またまた突然ですが、お子さんの家庭学習のしかたで、困っていることはないですか?
なかなか宿題にとりかからない、宿題のやり方が雑だ、てきとうに問題を解いているなどと思ったことはないですか?
わたしは昨年度まで小学校の教員をしていたのですが、
6年生の学習で見られた課題として、学校の授業でつまずきが多い子は、
「学習習慣が身についていない」
「自分に合った勉強方法がわからない」
「テストに向けてどう勉強したらよいかわからない」
などの課題が見られる場合が多くありました。
これらの課題を解消するために、家庭学習(宿題など)の習慣を身につけることで、持続して学習ができるようになります。
また、低学年のうちに家庭学習の習慣が身につけば、高学年になっても自主的に勉強するくせがつきます。
家庭学習は、自分のペースで理解できるまで時間をかけることができるので、不十分だった点を補うこともできます。
家庭学習の習慣を身につけるには?
家庭学習の習慣を身につけるには、
・集中できる環境を整える
・学習を始める時間を決める
・自分に合った学び方(環境、時間、方法)に調整する
・できたことをほめる(ポジティブな声かけをする)
などの方法が有効です。
きりんアフタースクールの高学年の学習でも、一人ひとりが、自分の学びを自分に合った方法(環境、時間、方法)に調整しながら学習を進めています。
ご家庭でも、ぜひやってみていただければと思います。
家庭でこれだけはやってみましょう!
ここまで、低学年のうちから身につけたい学力として「読解力」と「家庭学習の習慣」をお伝えしてきました。
「ご家庭でこれだけはやってみましょう!」と思うことの例を3つずつ挙げます。
【読解力を伸ばすには(例)】
・図書館に行く
・家で本を読める環境をつくる
・お母さん・お父さんも本を読んで、読書する姿を見せる
【家庭学習の習慣を身につけるには(例)】
・宿題をやったか見る
・学童に行かない日は、始める時間を決める
→スケジュールを作って貼る
・朝学習をする
→お子さんが好きな内容で!
明日から、この中の何か一つでもご家庭で取り組んでみようと思ってもらえたらうれしいです。
忙しい日々の中でも、日常のコミュニケーションや、ポジティブな声かけを大切にしながら、これらの力を育てていけたらいいですね。