「常識」をぬりかえる

おはこんばんにちは。福岡市城南区の探究学習スクール「CAN!Pラボ」のゆうたろうです。工作、アート、実験、クッキングなどを通して子どもたちの「やりたい!」を実現させる塾をやっています。

今回は「常識をぬりかえる」というテーマでブログを書きます。

なんか重そうなタイトル、、、

子どもとの会話がきっかけで考えた内容です。

ぜひ最後まで読んでいただけるとうれしいです。それでは、どうぞ。

ある子の一言

工作室で活動していたときのことです。

工作室に並ぶ作品を見て1年生の男の子が言いました。

「オレさ、6年生になったら、ロケットとばすのが夢なんだよね」

立派な夢を語ってくれたことを嬉しく思い、ちょっと踏み込んだ質問をしました。

「なんで6年生からなの?」

そう聞くとこう答えました。

「今はまだ勉強が足りないからできない。6年生になったら賢くなっていると思って」

つづけて聞きました。

「そっか、今からでも始められるんじゃない?失敗してもどんな形でもいいから」

そう言うと、1年生の男の子は「そっか!」と言ってこの会話は終了しました。

CAN!Pラボの工作室の様子。これまでに作られた作品が並んでいます。

「いつかやりたい」を「今」はじめよう

「6年生になったら、ロケットを飛ばすのが夢」

「今はまだ勉強が足りないからできない」

この言葉が私の中に残りました。ぐるぐるぐるぐる考えたのです。

 

数年前の私自身のこと、周りの大人の言葉を思い出しました。

 

「勉強をしてから、やってみたい」

「スキルが身についてから、やってみたい」

「仕事でいいポジションにつけたら、やってみたい」

 

そうやって「やりたいこと」に「~したら」という条件をつけて、本当にやりたいはずなのに後回しにしていました。私も周りの大人もそうでした。

 

 

気づけば

「あぁ、あの時、やりたいことやっておけばよかった」

なんてことを言います。

 

 

後悔しては遅いしもったいないんです。

 

 

子ども時代の「やりたい」ならなおさらです。

「やりたい」が芽吹いた旬な今こそが、はじめてみるチャンスだと思っています。

 

とはいえ、この子がこんなことを口にした背景には理由があったんじゃないかと考えました。

 

一歩ふみだせる人って?

「ロケット飛ばしてみたい」なら

ダンボールでもなんでもつくってみて、失敗して、また調べて、ほかの人の力頼って、実現することはできます。

ただ、その最初の一歩目をふみだせるかどうかには、2つの自信が関係していると考えています。

それは

①根拠のある自信

②根拠のない自信

です。

このうちの②の自信が、やりたいことに思わず「条件」をつけてしまう原因になっていたのではないか、と考えています。

 

それぞれ説明します。

根拠のある自信

タイトル通りこちらはイメージしやすいのではないでしょうか。

・イメージした刀をつくって完成させた経験

・計画した通りにプロジェクトが進んだ経験

・失敗したけど、立ち直って最後までやりとげた経験

これらの経験は子どもたちの中にのり、自信の根拠になります。

「自分ならできる!」と考えるんです。

 

このような成功の経験があるから、次なるチャレンジングな課題に取り組んだり、ほかの子を助けようとしているCAN!Pラボの子どもたちの姿をみました。

根拠のない自信

こちらの自信は「やったことはないけど、自分にはなんかできる気がする」というものです。

「やりたい」の一歩を踏み出すために必要な勇気を、この自信が支えているんじゃないかと考えています。

 

 

ただこの自信は、自分のなかにある「常識」がじゃまをすることがありそうです。

 

たとえば

・賢くないと、難しい課題はできない

・準備ができていないと、次のことをしてはいけない

・やったことないことは、できない

 

自分の中で実は無意識のうちに判断基準になっている「常識」のようなものです。

 

だから、1年生の男の子も私も「○○したら、~~する」と「やりたいこと」に「条件」をつけていたのではないかと考えました。

自分のなかの「常識」を変えるには

ではその自分のなかにある「常識」を変えるには、周りの大人はどう関わったらいいのでしょうか。

それは「その子の常識と反対のことをあえて言ってみる」ということです。

先日ヒントになるようなことがありました。

 

みんなで絵を描く活動中、誰にも見られないように隠しながら絵を描く女の子がいました。

「自分には自信がない、、、」と思っていたからでしょうか。描きはするものの、絵を誰にも見せようとはしません。

そこであるスタッフが

「○○ちゃんの絵、好きだな~。ここってどうやって描いたの?」

と聞いた一言がきっかけで、彼女の表情が明るくなり「これを見て」「夢の中の馬の話を描こうと思っている」と語り始めたのでした。

 

 

「自分の絵はみんなに見せられるほどのものじゃない」

と思っていた「常識」が

「好きだと言われたから、もしかしたら見せてもいいのかも」

と思えるようになった瞬間です。

 

さいごに

長くなりましたが、自分の中の「常識」をちょっとずつ変えることで自信をつけてもらいたい。というのが今回のブログで伝えたいことです。

自分のなかの常識が変わるような、体験をすることも言葉をかけられることもどちらも大切なことです。

どこでそんなきっかけが生まれるのかは偶然的なものもありますが、CAN!Pラボとしては意図的に自分の中の常識が変わるきっかけをつくり続けます。

「やりたいから、今すぐはじめる。困ったら周りの力を借りながら。」

大人も子どももそう思える世界を目指します。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。