「テーマ決め」という壁
Hola!ぶいちゃんです!
探究学習スクール「CAN!Pラボジュニア」では、
今週から自分のやってみたいことをテーマに深めていくマイプロジェクト、
通称「マイプロ」がスタートしました。
マイプロでは、自分がやってみたいことを「計画」→「実行」し、
そこから得た気づきを「深めて」いきます。
現在、小学校の学習指導要領でも「総合的な学習の時間」を中心に、この「探究」のプロセスが非常に重視されており、中学校、高校でも「探究活動」が必修化されています。
しかし、いざ「自由になんでもやっていいよ」と言われると、子どもたちが最初につきあたる大きな壁があります。
それは、「テーマを決めること」です。
実際、高校生への調査(Studyplusトレンド研究所 2025年)でも、
探究学習で難しかったことの第1位(37.4%)は「テーマを決めること」でした。
高学年になるほど、「やりたいこと」が見えなくなる?
実はこの「テーマ決め」、CAN!Pラボでは高学年になるにつれて、悩み込んでしまう子が多くなります。
低学年のうちは、「これがやりたい!」「あれが好き!」というエネルギーに溢れていて、迷うことはあっても「ネタがない」と困る子は少ないです。
しかし、成長するにつれて
「あれも作ったし、これもやった。面白いと思うことはもう全部やり尽くしてしまった」
と、自分の中にあるアイデアのストックが空っぽになってしまうことがあるのです。
そんな時、日常の中に隠れている「おや?」「不思議だな」「なんとなく気になる」を感じ取る”心のセンサー”の感度が高まれば、今まで見過ごしていたものが「新しいテーマの種」に変わります。
今回は、ラボジュニアのうちからそのセンサーの感度を高めるため、
「Feel度Walk(フィールドウォーク)」というものを実施しました。
「問い」を再発見するFeel度Walk
「Feel度Walk」とは、日本の教育家である市川 力さんが提唱した、「おや?」と感じるセンサーを高める「散歩」の方法です。
※詳しくはこちらの記事をご覧ください。
[“なんとなく”を大切に] Feel度Walk って何? 知図って何? と市川力さんに聴いてみたら「散歩と落書きだよ」とのこと。そこに本質を感じる
市川さんは、上記の記事でFeel度Walkの言葉の意味と方法を説明しています。
少し引用すると、
言葉をそのまま説明すると、Feelは「感じる」で、感じる「度合い」がFeel度。「Walk」はそのままで「歩く」だよ。それを組み合わせて「Feel度Walk」。
「なんとなく」気になったものを「とりあえず」写真に撮りながら「あてもなく」歩く。
とのことです。
「え?ただ散歩して写真を撮るだけで、探究のセンサーが磨かれるの?」
と思われた方もいらっしゃるかもしれません。実は私もそう思っていました。
しかし、実際に昨年市川力さん監修の研修で、Feel度Walkを実践してきたのですが、Feel度Walkをすればするほど、普段は何気なく通り過ぎてしまう景色に「なんだこれ!」と思うものがたくさん転がっていることに気付き、「問いを立てる力」が伸びていることを実感しています。
ラボジュニアでFeel度Walk
今週、実際にラボジュニアでFeel度Walkを実践してみました。
最初は「え~。散歩なんてつまんない~」と口々に不満を漏らす子どもたち。
しかし、iPadを片手に一歩外を出てみると、
・「壁の穴の中にカタツムリがいる!」
・「変なところに草が生えてる!」
・「こんなところにお地蔵様がいたの!?」
・「どの家の屋根にも変な棒がついてる」
と大はしゃぎです。
気が付けば、歩いて30秒の道を30分かけてFeel度Walkしていました。
今回のFeel度Walkで発見したもののほとんどは、普段通る道にもかかわらずいつもは見過ごしてしまうものばかりでした。
じっくりゆっくり時間をかけて身の回りを見てみることで、「小さな違和感」や「感動」が生まれ、「不思議だな」「気になるな」という「問いを立てる力」を育みます。
この力は、高学年になっても変わらない、探究の原動力になります。
そして、この感度は一部の人だけが持つ才能ではなく、何度も「おや?」を意識して繰り返すことで高まっていく「筋力」のようなものです。
そこで、今後も年に数回はFeel度Walkを実施したいと考えています。
撮った写真を共有しよう
実は、Feel度Walkの真髄は、「撮った写真をスケッチして共有する」ことにあります。市川さんはこの作業を「知図を描く」と表現します。
スケッチすることで、写真を撮った時には気が付かなかった細かい部分に目が行きやすく、「観察力」が高まるといいます。
今回のラボジュニアでは、知図を書く時間が取れなかったので、
撮った写真をモニターに映して、
・「なぜこの写真を撮ったのか」
・「写真の中で『おや?』と思ったこと」
を発表してもらいました。
すると、一人では気付かなかったけれど、他者の視点が入ることで新たな発見が生まれる場面もありました。誰かの「これ面白いよ!」という発見は、周りの人のアンテナも刺激し、伝染していきます。
日常を探究に変える
これから「マイプロ」が進むにつれて、子どもたちは何度も壁にぶつかるかもしれません。でも、「気になるセンサー」を磨き続けていれば、自然と探究力が上がっていくはずです。
ぜひご家庭でも、Feel度Walkをやってみてください。
大人も子どもも、日常の中の「なんだこれ?」をたくさん見つけて、探究の面白さにはまってくれると嬉しいです!
それでは、Hasta Pronto~!
参考文献
・市川 力 著:「知図を描こう!あるいてあつめておもしろがる」(岩波書店)