こんにちは!
CAN!Pラボの長﨑です。
高学年CAN!Pラボでは、続々とマイプロジェクトのテーマが決まっています。
・目指せ寿司職人プロジェクト
・手作りラジコンカープロジェクト
・CAN!Pラボに必要な家具、全部作っちゃおうプロジェクト
・本当の星空を再現するプラネタリウムプロジェクト
・本物と見分けがつかないレモンの食品サンプル作りプロジェクト
などなど、今期はこれまでにないくらい、多様でワクワクするプロジェクトが出そろってきました。
これからどのように進んでいくのか楽しみです。
では、なぜ今回はこれほど多様なプロジェクトが生まれたのか、その要因の一つである”成果”について、私たちなりの考えをお伝えします。
良い過程が良い成果を生む
「良い過程が良い成果を生む」
これについては、違和感なく理解できるのではないかと思います。
具体的に言うならば、
「頑張って勉強したら」=過程
「テストでいい点数がとれた」=成果
だったり、
「たくさん練習をしたら」=過程
「試合で活躍することができた」=成果
といった具合です。
しかし、実はこの逆の状況も起こり得ると私たちは考えています。
それが「良い成果が良い過程を生む」です。
良い成果が良い過程を生む?
「良い成果が良い過程を生む」ことについては、「?」となる方も多いのではないでしょうか?
先ほどの例を単純に入れ替えてみると、
「テストでいい点が取れたら」=成果
「頑張って勉強する」=過程
となります。
実は、私たちが子どもたちのプロジェクトを支える上で大事にしている考え方の一つがこれです。
これまで数々の子どもたちのプロジェクトを見てきて、「良い成果が良い過程を生む」ということがわかってきたのです。
いくつか例を挙げてみます。
秘密基地づくりから
家具づくりへ
9月から11月にかけて、秘密基地づくりプロジェクトに取り組んでいた彼のエピソードです。


彼は、他の子たちと一緒に3人で秘密基地づくりをすることになりました。これまでの彼は、「自分でやりたいことがある」というタイプではなく、「やりたいことはそれほどないけど、誰かといっしょにやる」というタイプの子でした。
しかし、友達との協力やスタッフのサポートを得て、本物の壁そっくりな偽の壁をつくり、見事な秘密基地を作り上げました。(=成果)

そんな彼は、次のプロジェクトで秘密基地の中に置くためのイスを作ることにしました。
これは、誰かのプロジェクトに乗ったわけでなく、自分で決め、自分の力で取り組んだのです。
さらに、今月のプロジェクトでは、「CAN!Pラボに必要な家具を作る」と決め、本棚・タブレット収納棚・作品棚を作ろうとしています。
自分で部屋の寸法を図り、設計図を書き、必要な木材の長さや本数を調べるなど、なかなか手間のかかる作業にも粘り強く取り組んでいます。(=過程)
テンセグリティから
プラネタリウムへ
もう一人は、過去にテンセグリティ構造を作った子のエピソードです。
初めは難しそうと思って手を出そうとしなかった彼女ですが、スタッフがお手本を作って見せることで、一歩を踏み出し始めました。
そして、1か月かけて見事完成させることができました。(=成果)

実は以前の彼女は「暇!」「ねえ何したらいい?」というのが口癖で、自分から何かやりたいと言い出すことはあまりありませんでした。
しかし、このテンセグリティ構造を作り上げて以降、さらに大きなテンセグリティ構造、パソコンスタンド等、いろいろなものづくりに自分から取り組むようになりました。
そして現在は、「理科で習った知識を活かしてプラネタリウムを作りたい」と言い、自分でテーマを設定してプロジェクトに取り組んでいます。
なかなか思ったようにはいかないのですが、あきらめず試行錯誤しています。(=過程)


挑戦のサイクルへ
この子たちのように、始めは友達といっしょに取り組んだり、大人にお手本を見せてもらったりして取り組むことで、満足のいく「成果」が出ます。
すると、なんとなく自信がわき、「やりたい」「できそう」というモチベーションが生まれます。そのおかげで、挑戦的なテーマを選ぶようになったり、ちょっとやそっとの難しさではあきらめないようになったりします。これが、良い「過程」です。
そのため、CAN!Pラボでは、まずは子どもたちが納得のいく成果をだせるように、徹底的にサポートし、「よりよい成果がよりよい過程を生む」状況を作ろうとしています。


さらには、良い過程を踏むことができれば、次に得られる成果も良いものになっていきます。
こうして、「成果」と「過程」のプラスのサイクルが生まれ、どんどんと「挑戦」へ足を踏み入れるようになります。
現在CAN!Pラボに通ってくれている子たちは、この「成果」と「過程」のサイクルを歩んできています。
そのため、今回のマイプロジェクトのテーマも多様で面白いものになってきたのだと思います。
おわりに
今回は、子どもたちのプロジェクトテーマ設定の裏にある、「成果」と「過程」についてまとめました。
大事なのは、この「成果」と「過程」のサイクルが生まれることで、子どもたちが「挑戦」できるようになってくるということです。
挑戦の中で子どもたちは新たな知識を得ようとしたり、粘り強く取り組もうとします。
これが、子どもたちの学びに向かう力や実行力を育て、成長につながります。
さて、今年度最後のマイプロジェクトはどんな「過程」と「成果」、そして「挑戦」が生まれるのでしょうか。
いっしょに見守っていただけたら嬉しいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!