こんにちは、原口です。
民間学童「CAN!Pアフタースクール(きりんアフタースクール)」では、子どもたちが自ら考え、選択し、決定できるよう、日々試行錯誤しながら遊びや学びの場をつくっています。
CAN!Pアフタースクールは、子どもたちが友達や大人と共に過ごす生活の場です。
そこでは、助け合うこともあれば、時にはケンカをすることもあります。
今回は、ケンカをどのように捉え、ケンカが起きたときにどんな関わりをしているのか、私なりの考えをお話ししたいと思います。
ケンカは悪いこと?
世間ではケンカは「悪いこと」とされがちですが、私は人間関係を学ぶ大切な経験の一つだと考えています。
皆さんも、過去のケンカが今の自分に役立っていると感じたことはありませんか?
例えば、私の場合……
「暴力で解決することはなかったなぁ」
「言い方に気をつけないと、相手を傷つけることがあるんだなぁ」
「人は自分の思い通りにはならないんだなぁ」
こうしたことを、幼少期のケンカを通して初めて学びました。
研究でも、ケンカを通じて次のような力が身につくと言われています。
・自分の思いを伝える力
・他者との関係を修復する力
・感情をコントロールする力
・社会的ルールの習得(「どこまでなら大丈夫か」の判断)
こう考えると、ケンカもまた学びの機会になり得るのです。
私自身もケンカが起こったときは「成長のチャンス」と捉え、子どもたちと話し合う時間を大切にしています。
ケンカが起きたらどうする?
子どもたちがケンカを始めたとき、大人はどう関わるのがよいのでしょうか?
つい、こんな行動をとりたくなりませんか?
「やめなさい!」と一喝する
「ごめんなさい」とお互いに言わせる
これでその場は収まるかもしれません。
しかし、これでは子どもたちが「なぜ怒られたのか?」「何を反省すべきなのか?」を理解しにくく、同じことを繰り返す可能性が高くなります。
(家庭のきょうだいゲンカだと、そうは言ってられませんが、、、)
では、どうすればいいのでしょうか?
ここから先は、「こんな方法もあるんだな」くらいで気軽に読んでいただけたらと思います。
私が実践しているのは、次の3つです。
①見守る
すぐに大人が介入すると、子どもたちが自分で解決する機会を奪いかねません。
まずはどんなやり取りをしているのか観察します。
(ただし、暴力など危険な場合はすぐに止めます。)
この時点で、子どもたち自身が落ち着いて解決することもよくあります。
➁お互いの気持ちを聞く
言い争いが激しくなるなど、大人の介入が必要と感じたら、事情を聞きにいきます。
ケンカはどちらか一方だけが悪いことはほとんどありません。
それぞれに言い分があるため、言語化を手伝いながら、お互いの気持ちを理解できるようサポートします。
③解決策を考える
同じことが繰り返されそうな場合は、「次はどうする?」と問いかけてみます。
解決策が浮かばないときは、大人が提案することもありますが、子どもたち同士で遊びのルールを作ったり、「言い方に気を付ける」と宣言したりする子もいます。
とはいえ、人は簡単には変わりません。
なので、長い目で子どもの成長を見守ることが大切だと思っています。
話し合える場を作る
このような話し合いを通じて、子どもたちは
「悪気はなかった(でも相手は傷ついた)」
というように、自分の気持ちと相手の感じ方のズレを認識していきます。
この「ズレ」を知ることが、自分たちで問題を解決するための第一歩になります。
しかし、子どもだけでは話し合いに至らず、感情をぶつけ合ったまま終わることも少なくありません。
だからこそ、CAN!Pアフタースクールでは、大人が見守り、必要なタイミングで介入し、話し合いの場をつくることを大切にしています。
こうした経験を重ねていくことで、子どもたちは自分の気持ちを相手に伝え、人の気持ちにも耳を傾けることができるようになっていきます。

ここに至るまでには、かなりの時間が必要になります。(大人でも難しいですよね…)
だからこそ、気長に、子どもたちを信じて、これからも関わり続けていきたいと感じています。
これからも、CAN!Pアフタースクールが人間関係のあれこれを深く学ぶ場であれるよう、安心して対話できる環境を整えていきます。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
それでは、また。