学習のモチベーションはどこから湧くのか?

こんにちは。原口です。

民間学童「きりんアフタースクール」では、子どもたちが自らの意志で考え、選択・決定できるよう、遊びや学びの場づくりを日々試行錯誤しています! 

 

きりんアフタースクールでは、独自の国語・算数プリントを学習する時間を設けています。

今日は、学習の時間を通して子どもたちにどんな状態になってほしいと願っているのか、その願いのためにどんな関りをしているのかをお伝えしたいと思います。

 

自立した学習者とは?

きりんアフタースクールでは、CAN!Pとして育てたい子ども像である「自立した学習者」を目指して日々の学習指導を行っています。

そもそも自立した学習者とはどんな人物なのか?

自分なりの言葉で言い換えると、「自分がなりたい姿になるために、学ぶときにどんな方法で目標にたどり着くのかを組み立て、実行できる人」だと考えています。

CAN!PのHPより

私は、この「自立した学習者」へ到達するための1つの要素として、自分に合った学習への動機づけ(モチベーションのあげ方)を知っている状態であってほしいと願っています。

その理由として、自分にとってのモチベーションが何になるのかを知ることで、学習のスタートを切りやすかったり、学びに持続性があったりと良い面が多々あると考えているからです。

動機づけの6パターン

動機づけとは、「〇〇だから学習をする・続ける」という学習を行う理由にあたります。

この動機づけは子どもによって様々で、次の6つに分類分けされます。

動機づけ二要因モデル(市川、1995) 引用:金井壽宏

たとえば、勉強する理由が

「ご褒美がほしいから」であれば報酬志向

「友達と一緒に進めるのが楽しいから」であれば関係志向

「勉強が楽しいから」であれば充実志向

に分類されます。

私たちが学習するときの動機は、6つのうちどれか1つに決まるのではなく、いくつかの動機がそれぞれ異なる強さで働いていると考えられます。

どの動機づけが良いというわけではなく、それぞれの子どもの特徴に合わせて声掛けや関わり方を変えることが学習を意欲的に進めるために必要になったりします。

A君のモチベーションの変化

この動機づけの観点から、3年生のA君への関り方を変えてみたときの反応を少しお伝えしたいと思います。

A君のプリント学習の様子を見ていると、もっとスピード感をもって問題を解くことができる力があるのに、力の出し方が分からないような状況が続いていました。

 そこでタイマーをかけて時間を計ってみるなどの工夫をしてみましたが、なかなか本来の力を出し切れていないようでした。

 そこでA君に「普段どんなときに集中できる?」と質問をしてみたところ、「お父さんと一緒に勉強しているときだったり、競争しているときかな。」と話してくれました。

 この話から、A君にとって効果的な動機づけは

 関係志向(お父さんと一緒ならやる気が出る)

自尊志向(競争に負けたくないという想いからやる気が出る)

の2つが強い傾向にあるらしいということが分かりました。

 

そこで、「一緒に問題を解いて競争しよう!」と提案したところ、A君は乗り気になりここ最近で一番の集中力とスピードで解ききることができました。

その後もA君は学習前にこちらが「あの時のスピード感を思い出して解いてみてね」と伝えただけで、スピード感もって学習に向き合うことができるようになりました。

今回、A君の動機づけを知ることができたことで、2つ良いことがあったように思います。

1つ目は、スタッフの関り方が変わることで、A君の学習効率がアップすること。

2つ目は、A君が自分に合った学習方法を一つ知ることができたこと。 

特に2つ目は、自分で学びを創っていく「自立した学習者」には欠かせない大切な要素になります。

今回の出来事がA君の学習姿勢作りの大切な一歩になれるよう、これからも丁寧な関りを続けたいと思います。

さいごに

今回は「自立した学習者」を目指してきりんアフタースクールではどのように子どもたちと関わっているのか、一部をお伝えしました。

A君の場合は、声掛けを変えてみたらたまたまモチベーションが上がりましたが、同じ子でもその日の体調やその時の興味で響く言葉ややり方が違うなんてことも当然のようにあります。 

それでも目の前の子どものことを一生懸命考えてみることがその子のことを理解するための第一歩だと捉えて、これからも子どもたちと試行錯誤しながら一緒に成長していきたいと思います。

 

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

それでは、また。