こんにちは、平田です。
きりんアフタースクール高学年の自己調整学習では、取り組む内容(どの教科か、どの単元か、どんな教材かなど)をスタッフと相談した上で、自分で決めて進めています。
これまで、高学年と低学年は同じ学習室で学習していましたが、9月から高学年の学習室を空いていた別の部屋に変更しました。
今回は、学習室を移したことと、そのことでの子どもたちの気づきをお伝えしたいと思います。
高学年の学習室を別の部屋へ
高学年は学習時間を1時間(相談した上で、1時間以上する子もいます)と低学年に比べて約3倍長く確保しています。
子どもたちの中には、1時間集中し続けることに課題がある子もいるのが現状です。そこで、その課題を改善する方法の一つとして、学習環境を変えてみることにしました。
高学年の学習室をこれまで以上に少人数にすることで、視界や耳に入ってくる情報を少なくし、集中しやすい環境に整えることにしたのです。
学習室のルールを子どもたちと決める
わたしは、子どもたちみんなで学習する雰囲気を高めてほしいという願いがありました。
そこで、初日の学習の初めに、「より集中して学習するために新しい学習室を整えた」という理由や願いを伝えました。
その上で、学習室でのルールも子どもたちと一緒に考えていきました。
わたし「集中して学習するために、どんなルールがあったらいい?みんなで決めたいから、みんなの考えをおしえて?」
A君「しゃべらないとか、立ち歩かないとか。」
B君「遊ばない。」
Cちゃん「わたし、〇〇ちゃんと席を隣に座りたい。」
わたし「そうかあ。でも、夏休み中、隣に座って勉強したときに、しゃべって集中できていなかったよね?そうなってしまったら、どうしたらいい?」
Cちゃん「・・・席を離すとか?」
などなど・・・話し合いをし、みんなでルールを決めていきました。
学習環境が変わって
新しい学習室に移って初めての週、どの子も集中して静かに学習していました。
その日の学習や、まとまった期間の学習の計画を立てる時には、わたしと相談しながら計画するのですが、周りの友だちが静かに黙々と学習を進めている姿を見て、6年生のDちゃんは「みんなの勉強の邪魔になりそうだから、下の部屋で相談した方がいいかも・・・」と言ってくれるほどでした。
みんなの集中力も感心しましたが、Dちゃんが集中して学習することに意識が向いていることと、友だちへの心遣いがうかがえて、素敵だなと感じました。
学習が終わり、わたしは一人ずつ一緒に、その日の学習を振り返りました。
長い時間集中するのが少し苦手なA君とE君ですが、学習室を移したことで何か気づきが出てくるのかな・・・?どうかな・・・?と思いつつ、聞いてみました。
わたし「今日の学習はどうだった?」
A君「こっちの部屋の方が集中しやすい。」
わたし「どうしてそう思った?」
A君「前の部屋は、前の席の人が終わって部屋を出て行くときに気になるけど、今の部屋は、みんな壁(窓)に向かって座っているから、あまり気にならなかった。それと、人数が少ない方がいい。」
同じようにE君へも聞いてみると、
E君「今の部屋の方が、人が出たり入ったりするのが少ないから、いい。」
という気づきでした。
集中して学習してほしいというスタッフの願いから、意図して部屋を移し、環境を整えたわけではありますが、子ども自身から、「この環境の方が自分には合っている」という気づきが出てきたことは大きいなと感じました。
このことが自覚できると、この先、家庭や、別の場所での学習でも、自分に合った環境を選びやすくなると思うからです。
自分自身についての気づきを、自分の学びの環境を調整していく力に生かしていってくれたらなあと思っています。
終わりに
学習する場の環境を整えていくことで、学習の集中力を高めていくことができます。
きりんアフタースクールでは、子どもたちが学ぶための環境をつくっていきたいと思います。
これからも、子どもたちによりよい学びを届けられるように、学習の環境だけでなく、まだまだ改善していきたいと思います。