こんにちは!
CAN!Pスタッフの長﨑です。
先日、CAN!Pラボだけでなく、アフタースクール、Englishのスタッフも含め、CAN!Pの各事業合同でのスタッフ研修がありました。
研修では、CAN!Pとはどんな団体なのか、何を目指しているのかといった、根っこにあたる部分について改めて意見を出し合いました。
その中で、CAN!Pラボでの大人の役割について考えたことがあったので、今回は「探究学習での大人の役割」について綴ってみます。
CAN!Pラボはどんな場所?
まず、CAN!Pラボとはどんな場所なのか振り返ってみます。
CAN!Pラボは、自らの意志で選択と決定ができるようになるために、探究学習に取り組む場所です。
今回は特に「探究学習」にフォーカスしてみます。

CAN!Pラボホームページより
これを言い換えてみると、
・問い自体が自分のものである。
・答えが唯一絶対ではない。
・答えが見えてくると、次の問いが生まれてくる。
とも言えます。
一般的なイメージの「学習」よりも、大学での「研究」の方がイメージに近いかもしれません。
↑「CAN!Pラボは何をする場所なんですか?」
現在、探究中!!
現在のCAN!Pラボでは、子どもたちが思い思いに探究しています。
例えば、「キャラクターケーキづくり」に取り組んでいる子。
彼は、以前からケーキ作りとキャラクターモチーフの作品作りに興味を持っていましたが、今回はそれらが合わさり、キャラクターの顔を描いたケーキづくりに挑戦しています。

こちらは試作第一号のケーキです。
ネット上に掲載されていたレシピをもとに作り、キャラクターを再現することができました!
一方、実際に作る中で、生クリームにうまく色がつかなかったり、溶けてしまったり、目や口がゆがんでしまうなどうまくいかない部分もたくさんありました。
その中から、彼が向き合った問いの一つが「どのようにすれば生クリームが形をたもてるちょうどよい固さで作れるのだろう」です。
この問いを元に、現在は生クリームの種類、混ぜ具合、温度などを調整しながら再挑戦しているところです。

彼女が取り組んでいるのは、「プラネタリウムづくり」です。
学校で学んだ星座に興味をもち、夏や冬の星座を再現できるプラネタリウムづくりに挑戦しています。
取り組む中で彼女がぶつかったのは、光が壁まで届かない、壁にあたった光がいびつな形になってしまう、という問題でした。
この問題を解決するために、
「壁に映る光がなるべく点になるようなライトの種類、明るさ、装置の構造はどうすればいいのか?」という問いに向き合いながら、すでに5回以上の試作を繰り返しています。

探究学習における大人の役割
では、こういった彼らの探究に対して、大人はどのように関わっているのでしょうか?
一般的にイメージするのは、「教える」か「引き出す」なのではないでしょうか?
「こうすればできるよ!」のように、うまくいく道のりを示してあげるのが「教える」です。
「あなたはどう思う?」のように、その子の中に答えを求めるのが「引き出す」です。
これらは、どちらも大切ですし、CAN!Pラボでもそういった場面はあります。
しかし、探究学習では、そもそも大人でもわからないような問いに出会うことがあります。そんな場面では、「教える」ができませんし、大人ですら簡単に答えられない内容を子どもから「引き出す」のはさらに難しいです。
そういったときにできるかかわり方が、「いっしょに考える」です。

当たり前と言えば当たり前なのですが、大人も子どももわからないなら、一緒に考えるしかありません。
「豆電球がいいのかな?」
「電圧とか電流を計算してみようか?」
のように、横に並んで、目の前のことをいっしょに見つめて、ああだこうだと考える。
これが探究における大事な大人の役割の一つだと思っています。
そして、この「一緒に考える」によって生まれた結果は、子どもの「チャレンジ」につながりますし、それでいて「自分でやり遂げた」という感覚も持つことができます。
この経験を積み上げていくことが、CAN!Pラボが目指す「自らの意志で選択と決定できる」人へと子どもたちを育てていくのだと思います。


おわりに
学習塾では勉強を教わります。スポーツ教室ではそのスポーツを教わります。
これに対して、CAN!Pラボでは、具体的な内容に縛りはほとんどありません。子どもたちの「やりたい!」が入り口なので、どんな内容でも基本的に扱えます。
だからこそ、大人の役割は「教える」「引き出す」ではなく、「いっしょに考える」ことが多くなります。
そして、子どもも大人も一緒に考える中で、じわじわと踏み込み、気づいたら前の自分よりも一皮むけた自分になっている。
そんなゆっくりで力強い成長が、現在CAN!Pラボに通ってくれている子たちを見ていても感じられます。
今年度も残り2か月を切りました。
最後まで子どもたちと一緒に考え抜きたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!