こんにちは、平田です。
先々週きりんアフタースクールで行った保護者セミナーでは、低学年期につけたい学力の一つとして、読解力についてお話ししました。
そして、読解力を高める方法の一つとして、読書のお話をしました。
きりんアフタースクールでは、本棚を設置したり図書を整備したりして、子ども達が本に触れる環境をつくっています。また、学習時間の中に読書を取り入れています。
今回は、アフタースクールの子ども達が読書をしている様子や、スタッフとのやりとりをお伝えします。
自分で本を選ぶ
先日、3年生のA君が学習室で本を読んでいました。しばらくしてから、わたしがA君の様子を見に行ってみると、さっき手に取っていたのとは違う本を読んでいました。
見た目にすぐわかったのは、さっきは少し分厚い本(ページ数が多い)、今はさっきよりも薄い本(ページ数が少ない)という違いでした。
わたしはA君に聞いてみました。
平田「どうして途中で本を替えたの?」
A君「短めの本の方がよかったから。長いと今日中に読み終わらないけど、短めの 本だと今日中に読み終えられるから。」
A君は、今の自分の状態や、自分が読み進められる速さに合わせて、本を選んでいました。
このときのA君は途中で本を選び直したのですが、A君が自分に合った本や自分が読みたいと思う本を選べたことは、今度もまた本を読もうと思えるという意味で、大切な力だなあと感じました。
要約する・感想をもつ
またまた時間が経ってA君が本を読み終えたころに、わたしはA君に聞いてみました。
平田「この話、簡単にまとめるとどんな話だった?」
A君「カラスが、ねぼすけさん(登場人物)の頭に柿を落としたら、頭から柿の木が生えてきて…」
と、見事に大事な出来事(あらすじ)をまとめて話してくれました。
平田「一番心に残った場面はどこ?」
A君「最初らへんで、ねぼすけさんの頭から柿の木が生えてきたところ。」
平田「そこで、どう思ったの?」
A君「えー!びっくり!って感じだった。」
平田「じゃあ、このお話を読んだ感想は?」
A君「最後に、フンを落とされたところがおもしろかった!」
平田「え?誰が、誰にフンを落とされたの?」(主語などがなくて聞き手として分かりにくかったので、あえて聞き返しました。)
A君「ねぼすけさんが、カラスにフンを落とされた!」
平田「へー、最後だけフンなんて、おもしろい落ちだね。」
こんなやりとりをしながら、本の内容と感想を聞いていきました。
読んだ内容を簡単にまとめる(要約する)ことは、文章の中から大事なことを読み取る力である読解力を伸ばすことにつながります。
自分の感想をもって表現することは、自分の考えを言葉で表現する力につながります。
そのため、読書を終えた子に意識して聞くようにしています。
A君は、読み取った内容や感想を言葉でまとめて伝えてくれました。
おすすめの本紹介
ここで、わたしのおすすめの本を紹介します。
【低学年向け】
『りんごかもしれない』 ヨシタケシンスケ 作 ブロンズ新社
テーブルの上にりんごがおいてあった…。
…でも…もしかしたら、これはりんごじゃないかもしれない。
ひとつのりんごをめぐって、次から次へとユニークな発想が繰り広げられます。
考えることを果てしなく楽しめる、発想豊かな絵本です。
【中学年向け】『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』 廣嶋玲子・作 jyajya・絵 偕成社
店主の紅子は、主人公に「駄菓子の説明は必ず読んでくださいました。食べ方を間違えるとどうなるとわかりませんからねえ。」と念押しします。
登場人物たちが、不思議な駄菓子を通してさまざまな体験をする物語です。
【高学年向け】
『ジュニア 空想科学読本』 柳田理科雄・著 藤嶋マル・絵 角川つばさ文庫
タケコプターが本当にあったら空を飛べるのか?
かめはめ波を撃つにはどうすればいい?
など、アニメや漫画で出てくる現象を科学的に検証すると、おどろきの結論が見えてくる。
笑える理科の本です。
夏休みに読書を
先日、わたしはある本を探しに地域の図書館へ行きました。
児童書を探したのですが、児童書のコーナーには、お父さん・お母さんが子どものころに読んだような名作が多く置いてあります。
おうちの方も児童書を手に取って、お子さんと一緒に読んでみるのも楽しいのではないかと思います。
きっと、「そうそう、こういう話だったな!なつかしい!」と感じるはずです!
明日から夏休みが始まりますね。
長いようであっという間の1か月。
お子さんと図書館に行ってみたり、本を借りて読書してみたりしてはどうでしょうか。
そして、おうちの方も、ぜひお子さんと一緒に読書を楽しんでみていただければと思います。