こんにちは!
CAN!Pスタッフの長﨑です!
CAN!Pラボでは、子どもたちが9月~10月の2か月間をかけて、マイプロジェクトに取り組んでいます。
マイプロジェクトは、子どもたち自身でテーマを設定し、最終発表(アウトプットデー)に向けて制作や実験を進めていくものです。
今回は、その最終発表がいよいよ近づいてきた中で、子どもたちの様子から感じたことをまとめてみます。
1つのプロジェクトにたっぷり時間をかける
今回、子どもたちは約2か月間同じテーマに取り組み続けています。
途中でテーマを変えることは、基本的にNGというルールにしています。
そのため、ラーメンをテーマに設定した子は、麺、スープ、煮卵、チャーシューといった具合に、2か月間徹底的にラーメンと向き合います。


日々上達していくラーメン職人
1日あたり2時間の活動時間とすると、2か月間で20時間ほどになります。
小学校の理科の時間と比べてみると、例えば小学校3年生理科「磁石の性質」は一般的に10時間程度で学ぶこととされています。
それに比べれば、1つのテーマにつき20時間というのは、かなりたっぷりと時間をかけていると言えるのではないでしょうか。
では、この「1つのプロジェクトにたっぷりと時間をかける」ことの何がいいのか。
そのメリットの一つが、子どもたちの「試す」機会を確保できることです。
子どもたちの「試す」
具体的な例を紹介します。
例えば、このテンセグリティ構造のモノづくりに取り組んでいる子。

浮いているようにみえる不思議な構造!
彼女が思い浮かべているゴールは、ものを載せられるくらい(50cm四方程度)のテンセグリティ構造を作ることです。
しかし、彼女はまず初めに段ボールで小さいテンセグリティ構造を”試作”してみました。
その過程で、
・ものを載せるためには天板が必要だ
・支柱が曲がってしまうとうまくいかないから、頑丈な素材にしたほうがいい
といったことに自ら気づきました。
その気づきを活かして、現在は、当初のゴールだった「ものをのせられるくらいのテンセグリティ構造」に着手しています。
試作での気づきを活かし、頑丈な枠組み作りを意識しているようです。

木で枠組みを作っています!
もう一人の事例です。
この子は「本当に紙を切れるナイフ作り」をテーマにしています。
その中の取り組みの一つが「段ボールでナイフをつくる」です。


参考動画では、段ボールを煮出して、その液体に段ボールを浸し、重しをのせた状態で乾燥させることで、段ボールが硬くなると説明されていました。
しかし、実際にやってみると、思ったように硬くなりませんでした。
そこで、段ボールの煮出し汁の代わりに洗濯のりのうすめ液を使ってみたり、乾かす場所や重しをかえてみたりしました。
4回以上のトライアンドエラーを繰り返し、現在は硬い状態をつくることができるようになりました。
まだまだこれからも試行錯誤は続いていきます。
たっぷりの時間が「試す」余白を生む
ここであげた事例は、どれもたっぷり時間があってこそできたことです。
極端ですが、もしも「2時間で完成しなければいけない」としたら、十分に「試す」ことはできません。
テンセグリティ構造では、いきなり本番に手を付けて、やわらかい素材で失敗してしまうかもしれません。
段ボールの刀づくりでは、説明書通りにやっても失敗し、もう取り返しがつきません。
しかし、たっぷり時間があることで、試作してみたり、失敗しても再度チャレンジすることができます。
そして、この「試す」ことは、子どもの成長においても、大きな意義があると思っています。
「試す」ことは「答えのない課題に対して自分なりの答えを作る」ために必要なことです。
現実を見てみると、社会で出会う課題はたいてい唯一無二の答えはありません。
進路選択、仕事の進め方、衣食住、人との付き合い方、お金の問題などなど、など、どれも複雑な問題ばかりです。
将来のためにも「答えのない課題に対して自分なりの答えを作る」力は非常に重要であり、それは「試す」中で育まれていきます。
だからこそ、私たちはたっぷり時間をとり、十分に「試す」ことができるようにしたいと考えています。

CAN!Pが育てたい学習者像の一つ
「答えのない課題に対して自分なりの答えを作る」ことは、
まさに”探究”そのものです。
おわりに
今回は、「1つのプロジェクトにたっぷり時間をかける」ことで、子どもたちが十分に「試す」ことができ、「答えのない課題に対して自分なりの答えを作る」力が育つということをお話ししました。
まさに今現在、CAN!Pラボの子どもたちは、アウトプットデーに向けて「試す」を繰り返しています。
それに伴って、子どもたちのプロジェクトもさらにおもしろいものになってきています。
保護者のみなさまは、アウトプットデーにて、子どもたちのプロジェクトが見られるのを楽しみにしていてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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