こんにちは!
CAN!Pスタッフのゆうやです。
ラボでは日々、子どもたちのアイデアから様々なプロジェクトが生まれています。 今日はその中で、ある男の子が3か月もの時間をかけてじっくりと向き合った、あるプロジェクトについてお話ししたいと思います。
3ヵ月かけて作った傘立て
彼はこれまでもずっと、「ラボの役に立つものを作る」というテーマで、様々な工作に取り組んできました。今回のプロジェクトも、「何かラボで必要な物ない?」という彼の問いかけに対して「ラボの傘立て、よく倒れてしまって使い勝手が悪いんだよね」とスタッフから依頼したことがきっかけです。
そこから、3か月にも及ぶ長い挑戦が始まったのです。
まずはイチからの設計です。ラボの玄関スペースを測り、ただサイズを合わせるだけではなく、「どうすればみんながスムーズに出し入れできるか?」「濡れた傘はどう置くのが使いやすいか?」と、常に使い手のことをイメージしながら形を考えていきました。
納得がいかなければ、何度でも書き直す。
彼が描いた設計図は、気づけば 5回以上も書き直していました。
実際の制作に入っても、その丁寧な仕事ぶりは変わりません。
特に彼がこだわったのは、「同じ太さの木材を使うこと」。
バラバラの材料ではなく、太さがきれいに揃った木材を使うことで、見た目の美しさと統一感を出すことに徹底してこだわりました。
誇れる作品ができた
設計図を引き、材料を選び、組み立て、塗装する。 3か月という期間、うまくいかないこともありましたが、彼はあきらめずに手を動かし続けました。
そして完成した後の振り返りで、彼が言った言葉がとても印象的でした。
「誇れる作品ができた」
彼はこう続けました。 「妥協したくない。中途半端なものができても嬉しくない。だから、徹底的にこだわりました。」
これまで彼が作ってきた、秘密基地、本棚、タブレット保管庫、ベンチ……。 これらもすべて「ラボのみんなのため」に作られたものです。数を重ねるごとに、その完成度は確実に上がっています。 これまでの経験があったからこそ、自分の中で「納得できる基準」が高くなり、今回の傘立てでも妥協せずにこだわり抜くことができたのかもしれません。
質の高い作品は変容をもたらす力を持っている
そんな彼の様子を見て、ある本の一節を思い出しました。 『子どもの誇りに灯をともす』(ロン・バーガー著)に出てくる言葉です。
「質の高い作品は変容をもたらす力を持っている」
自分の全力を注ぎ込み、本当に「誇れる」と思える作品を作り上げたとき、その経験は作り手本人を大きく変える力になります。
まさに、今回の彼がそうでした。 徹底的にこだわり抜き、最後までやり切ったことで得られる「心地よさ」や「すがすがしさ」。 そして同時に、3か月の間に身についた技術への自信や、同じように頑張っている他の子の作品を尊重する気持ち。
これらは誰かに教えられたものではなく、彼自身がプロジェクトを通して自然と獲得していったものなのだと思います。
同書には、こんな言葉もあります。
「自尊心は誉め言葉ではなく、成し遂げることで生まれる」
大人が褒めるから自信がつくのではなく、自分自身が「これをやり遂げたんだ」と実感できたとき、初めて本当の自信が生まれる。彼の姿は、まさにこの言葉そのものでした。
おわりに
完成した傘立ては、さっそくラボの玄関で活躍してくれています。
実は、彼の一連の工作活動には、彼自身がつけた名前があります。 その名も「CAN!Pラボの大黒柱プロジェクト」。
ずっと変わらず持ち続けている「ラボの役に立つものをつくる」というテーマ、そしてラボを支える大切なものを作っているという誇りが、この「大黒柱」という言葉に集約されていますよね。
また、今回のプロジェクトを通して、CAN!Pラボが大切にしたいことが改めて見えた気がします。 それは、「その子本人が心から誇れるようなプロジェクトを生み出すこと」。
このようなプロジェクトに向き合っている時、まさに子どもは「熱中する探究者」であり、その先に子どもの本当の成長があるのだと感じました。
これからも、子どもたちが自分自身の力で何かを成し遂げ、「自分はこれをやったんだ」と胸を張れるような活動を、温かく見守っていきたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!