こんにちは!CAN!Pラボスタッフのゆうやです。
CAN!Pラボの工作室の前には、一本のレモンの木があります。 毎年、寒さが本格的になるこの時期になると、たくさんの実がなります。ラボのメンバーにとっては、このレモンを見ると「あぁ、今年もこの季節が来たな」と感じる、ちょっとした風物詩のような存在です。
今月のラボジュニアのラボプロジェクトのテーマは、ずばり「レモンのヒミツ」。 たくさんとれるレモンを主役に、子どもたちの探究がスタートしました。
今回は、その初回の様子と、私たちがこの活動を通じて子どもたちに手渡したい「知識観」についてお話ししようと思います。
レモンを解体してみよう!
初回のミッションは「レモンを解体する」ことでした。 この活動をえらんだ意図としては、
「仮説を持ってやってみる。そして、結果を見て自分の知識を更新する」という、経験をしてほしかったからです。
そのため、まずは
「レモンの断面って、どうなっていると思う?」
「種はいくつ入っているかな?」
「レモンを水に入れたら、浮くと思う? 沈むと思う?」
といった問いかけからスタートしました。 子どもたちは、思い思いに仮説を立てます。 「種はびっしりつまっている!」と意気込む子もいれば、「重いから絶対に沈むよ」と断言する子もいました。
いざ解体スタート。包丁やハサミでレモンを解体し、観察していきます。すると、あちこちから驚きの声が上がりました。
「水に沈むと思っていたレモンが、ぷかぷか浮いた!」
さらに、 「じゃあ、皮を剥いたらどうなるんだろう?」
そう考えて皮を剥いてみると、今度はレモンが水底へ沈んでいきました。
「えっ、なんで!? 沈んだ!」
また、別のテーブルでは「種がぎっしり入っているはず」と丁寧に解体を進めた子が、「一個も入ってない!」と驚いていたり。
これこそが、「仮説を持ってやってみる。そして、結果を見て自分の知識を更新する」姿です。
仮説検証が「知識観」を変える。
CAN!Pラボは「熱中する探究者」を育てる場所です。では、今回の「仮説と検証」は「探究」とどのように関わっているのでしょうか。
認知科学者の今井むつみさんの著書『学びとは何か――〈探究人〉になるために』では、次のように説明されていました。
探究者であるために必要なのは、
「学び=教えられたことを覚えること」
という受動的な知識観ではなく、
「知識は自分で発見するもの。使うことで体の一部にするもの。システムの一部であるもの。そしてシステムとともにどんどん変化していくもの」という知識観である。
今回のレモン解体を通して、子どもたちは誰かに教わった「レモンの知識」を暗記したわけではありません。 自分の手で触れ、匂いを嗅ぎ、予想を裏切られる経験を通して、自分なりの「レモン知識」を構築していったのです。
このような、自ら発見し知識を更新していくという学びの姿勢こそ、熱中する探究者の基礎になるということです。
今回のレモン解体では、そんな子どもたちの姿勢がたくさん見られ、まさに探究の入り口に立っているなと感じる時間でした。
おわりに
実は今回、私自身も良い意味で予想を裏切られました。今回のラボプロは、私の予想以上に子どもたちが真剣に、そして楽しそうにレモンの解体に取り組んでいたからです。
始めのうちはそれほど「レモン」に興味のなさそうだった子どもたち。
しかし始めてみると、レモンを切り続ける子、いろんな部分の味を確かめる子、上手なレモンの絞り方を追求する子、いろんな部位に切り分けて水に浮かぶかどうかを確かめる子など、それぞれに熱中する姿がありました。
自分で仮説を立てて検証し、自分の知識を更新していくというのは、そもそも面白いものなのだと改めて感じることのできた瞬間でした。
そんな子どもたちの探究がどのように進んでいくのかが楽しみです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!