こんにちは、CAN!Pの森本です。 今回のブログでは、CAN!Pスタディ開校の背景と、私たちがこのスクールで何を実現したいのかを整理してみたいと思います。
前半ではこれまでの教育の価値観やAI時代の到来による影響について触れ、後半ではCAN!Pスタディが目指す具体的な教育のあり方について書いていきます。
そもそも勉強は何のためにするのか
これまでの公教育における「正解」は、長年、偏差値やテストの点数といった「数値化できるもの」をいかに高くできるかという点に集約されていました。
つまり、良い点数を取って正解を導き出し、成績を上げていくことが難関校へ合格する近道であり、それこそが社会に出てからの選択肢を増やす方法だったわけです。
難関校に進学することで得られるリターンは、就職面での有利さや、就職後の待遇・キャリアに直接紐づいていました。
「勉強する」ということは、それを叶える最も分かりやすい手段です。 親の最大の願いは「我が子の幸せ」であり、そのために最も確率の高いルートを歩ませてあげたいと思うのは、当然の親心だと思います。
しかし、「本当にそれでいいのだろうか」「その道は今後も正しいのだろうか」という点に、CAN!Pとしては強い課題意識を持っています。これが、これからお話しすることにつながっていきます。
大AI時代がやってきた
私たちは今、まさに時代の大きな転換点に立ち会っています。 パソコンの登場でIT産業が生まれ、スマートフォンの登場で私たちの暮らしが一変したように、今、AIの進化によってまた一つ時代が進もうとしています。
これまで特定の専門職のものだったプログラミングや、動画制作・音楽制作などのクリエイティブな分野さえも、どんどんAIができるようになってきており、その進歩は日進月歩です。
「正解を早く正確に出す」という部分において、人間がやる意義はどんどん薄れています。これは教育現場にも大きな影響を及ぼす変化であり、今一度「これからの教育に必要なことは何なのか」を問い直す必要があります。
先ほど触れた「良い点を取って正解を出す」という行為は、まさにAIの得意分野です。従来の価値観だけを妄信し過ぎるのは危険だと言わざるを得ません。
だからこそ、どれだけ時代が変化しても変わらない「普遍的なもの」を見極めていく必要があります。 私たちは、その普遍的なもののひとつが「自らの意志で選択し、決定すること」だと考え、CAN!Pのビジョンに据えています。
そして、「基礎学習」という分野における普遍性とは何なのかを考え抜いた結果、やはり「基礎学力をつけることは必要である」という結論に至りました。基礎学習を通してこそ身につけられる力がある。そう確信し、新たに「CAN!Pスタディ」を立ち上げました。
それでも基礎学力は必要である
CAN!Pスタディのゴールは、子どもたちが「自らの学び方を学び、自立した学習者として育っていくこと」です。基礎学習はそのためのツールであり、学習プロセスを通じて、その先の将来にわたる「学び方そのもの」を獲得していくことを最大の狙いとしています。
「学び方を学ぶ」ということは、最終的には自己内省の連続であり、「自分はどうすればいいのか」を深く知っていくことそのものです。
一定の時間、基礎学習に向かう中で、子どもたちは以下のような力を育みます。
- 自分を客観的に捉えること
- 自分の得意・不得意を認知すること(メタ認知)
- 計画を立て、実行し、振り返ること
- 自分の感情や行動をコントロールすること(自己統制)
これらは、社会に出て仕事をするうえでも確実に必要になる「思考スキル」や「非認知能力」です。
CAN!Pスタディでは「自己調整学習」という理論に基づき、4~6年生の高学年クラスでは「計画立案→実行→振り返り」のプロセスを最重要視しています。
まず、自分の持ち時間に対して1日のスケジュールを組み立てます。ここには、「どの課題にどれくらい時間がかかりそうか」を予測する(予見)という思考が必要になります。
その後、実際に実行し、予測と実行に対する「振り返り」を行います。このサイクルを繰り返すことで計画の精度が上がり、見通しを立てる(予見する)ことが上達していきます。最初からうまくいく必要はありません。何度も繰り返していくことこそが重要なのです。
そして、この計画立案・実行の精度を上げるにあたり、土台となるのが「一定の読み書き・計算の力」です。極端な話ですが、「1+1」の答えを出せない子が、確度の高い学習計画を立てられるわけがありません。
そこで、低学年期(1年生〜)においては、計画や振り返りよりも「実行」に重きを置き、
- 一定時間集中して、自分の学習に向き合えるようになること
- 算数・国語の基礎学力の土台をつくること に重点を置いています。
一見、無味乾燥(単調)に見える日々の学習も、小学高学年期、さらにはそれ以降の飛躍のための準備段階であり、非常に重要な意味を持っているのです。
だからこそ、毎日の学習習慣の形成が不可欠です。ある日突然計算が速くなる、ある日突然集中して勉強ができるようになるといった魔法はありません。毎日の地道な積み重ねの先にしか、その道はあり得ないのです。
実際に4月からCAN!Pスタディの現場に立ち、子どもたちと一緒に学ぶ中で、強く感じていることがあります。
現在CAN!Pスタディで学んでいる子の中には、私自身が当時のアフタースクール責任者として、1年生の頃の様子を知っている子が数名います。
学年が上がる中で、学力だけでなく「自分を律する力」が高まり、それが毎回の学習状況にも素晴らしい好影響を及ぼしています。そこには年齢による発達の側面も大きく、子どもの発達段階に応じて「適切な課題設定」をすることの重要性を、私自身が子どもたちから改めて教えてもらっています。
まだまだ試行錯誤の続く中ではありますが、1年生から6年生まで、連続性のある「基礎学習のあり方」のモデルが出来上がりつつあります。
繰り返しになりますが、CAN!Pスタディのゴールは、子どもたちが自らの学び方を学び、自立した学習者として育っていくことです。
基礎学習を通して、CAN!Pスタディで身につけた力が、未来の子どもたちの人生を豊かにしてくれるものと信じています。